参考書・問題集を「ヤル」とは?

 「問題集は3度やれ」「問題集10巡目」…など、受験生活では「問題集を何回やった」という話が沢山でてきます。そんな時に感じるのは「ヤル」とは一体どういうことかということです。これは、本当に人それぞれなんだと思いますが、ちょっと考えてみました。以下、参考書、問題集に分けて書きます。

1.参考書編

1−1 読む

 参考書を読みます。「読む」は大きく分けて「最初から読む」と「つまみ読みする」の2つに分けることができます。いずれにせよ、時間はそれほどかかりません。

 「最初から読む」作業は学習の初期や、弱点科目のやり直し、最後の確認などの時にするものです。これの効用は全体が把握できること、言いかえれば、項目同士のつながりが理解できることにあります。科目内の各事項は意外とつながりがあることが多いものです。初期段階ではこれから勉強するものの流れを確認するために、最後の確認段階では今まで学んだ事項を結びつける為に有効だと思います。それまでがむしゃらに事項だけ覚えたが苦手意識が取れなかったものが、全体を把握した瞬間にばらばらだったパズルが解けるように…なんてこともあります。

 「つまみ読みする」作業は、それ単体の作業ではなく、他の勉強の補完的なものです。例えば、参考書(基本書)を読んで分かりづらかった所を他のものでつまみ読みして理解する、問題演習の際に見るといったものです。「辞書的使い方」といってもいいでしょう。

 上の行で「時間がかからない」と書きましたが、むしろ読む作業に時間をかけてはいけません。ページに出てくる事項・用語を丸暗記しようと考えながら読むと、全体が見えてこないからです。時間をかけるなら、じっくり1回読むのではなく、全体を意識しながら3回読んだ方がいいと思います。

1−2 写す・まとめる

 参考書の内容をノートに写す、もしくはまとめます。筆者自身はこの作業を断念した派なのであまり詳しくは書けませんが、この方法は多くの人に支持されています。ノート作成については、参考書をまとめるだけでなく問題集(過去問)も利用して作る場合もあります。

 「まとめる」作業、ノート作りの効用は試験直前期から試験本番までの間に効率的な復習ができることにあります。試験前はとにかく時間がありません。そんな中、それまでやった参考書や問題集や模試をひっぱりだして効率的に学習するのはなかなか難しいです。まとめてあるノートがあれば、要点を整理しながら効率的に勉強できます。

 ただ、ノート作りに断念したものから言わせていただくと、「まとめる」作業は「読む」作業よりもはるかに難しいです。それはノート作りには時間がかかることと、また、まとめるのには技術が必要なことが理由です。「まとめる」には重要なこととそうでないことを見分ける技術が必要ですが、勉強の最初には何が重要なことかわかりません。ややもすると全部が重要な気さえしてきます。

 ノート作りを否定するつもりはありません(上の効用を参照。筆者はまとめたものが無くて、直前にはかなり苦労しました。)。ただ「なかなか難しいぞ」ということを頭に入れて、ノート作りの達人などに相談しながら作るのがよいでしょう。

1−3 書き込む

 これも単独の作業ではありません。問題演習で新しく知った事項や、他の参考書・基本書で得た知識を自分が一番信頼できる参考書に書き込んでいきます。そして、参考書をノートの代わりにしてしまいます。

 これの利点は時間が掛からないことです。「時間はないがノートを作りたい」というときに有効です。作り方によっては、最初からノートを作るよりもいいものを作ることができます。


2.問題集編

2−1 問題をノートに貼り付ける

 問題を1問ずつノート(ルーズリーフ)に貼り付け、その余白に解説などを書きます。解説といっても問題集に載っている解説を丸写しするのではなく、関連項目を参考書などから引っ張ってきて書きます。貼り付ける問題はコピーです。切り取って貼ると、裏のページが読めなくなります。

 これもノート作りの一環です。時間はかかりますが直前期のよい勉強道具になります。しかし、勉強中に出てくるすべての問題をノートに貼り付けてやるのはつらく、量が膨大です。時間が無い人にはあまりオススメしません。

 また、貼り付ける対象としてはノートよりルーズリーフの方がいいでしょう。ルーズリーフにしておけば、完璧に出来ると思う問題をよけておくことができます。そうすれば、手元にはいつも自分の弱点の問題だけが残り、これから自分がどれだけやらなくてはならないかがよくわかります。

 ただ、膨大な作業量を必要とする勉強法には落とし穴があるので、それには十分注意しておくことが必要です。ノート作りの場合は、ノートを作ることが目的となってしまうことがその落とし穴です。見やすく詳しいノートを作ることに集中しすぎて、すばらしいノートはできたものの全く頭には入っていないということもあります。残るのはつらいことを終えたという達成感と綺麗なレイアウトのノートだけ、内容は全く…ということはありえます。あくまで目的は「合格すること」であり「ノートを作ること」ではないということを肝に銘じておくと良いでしょう。

 なお、時期的な問題ですが、学習の初期からこの作業をすると大変です。参考書等で全体像を把握する前から問題をいきなりノートにまとめようとすることは、苦労・達成感の割に効果があまりないと思います。いくら問題演習が大事だからといって、最初から問題演習至上主義のようにはならない方がいいでしょう。ある程度学習が進んだ後には効果があると思います。

2−2 ガンガン解く

 ノートなどにはまとめずに、問題をガンガン解いていきます。問題集に手を加えるのは、間違った時のチェックマーク(レ印)や解説にラインを引くくらいです。最初からこの方法を取る場合もあるでしょうし、2-1のノートを作った次の段階でやる場合もあります。

 問題の解き方は色々です。まず問題を1問ずつやるか複数問やるかということが挙げられます。学習の初期は1問ずつ解くのが良いでしょう。問題集(メインは過去問題集)は同じような視点からの問があるために、同じ単元で問題が似ているということがあります。そのため、1問ずつ解いた時についさっき解説で見たものがそのまま聞かれている場合があります。すぐ直前のを確認でき少し自信がつくのでそれほど苦痛な学習になりません。複数問をまとめて解くのは学習を少し進めた時、2回目以降の演習の際に有効です。単元全体の確認ができます。

 ただ少し注意しておきたいことは、ガンガン問題を解くといってもドリル的にひたすら解けばいいということではないということです。学習の進行によりますが、問題集では流れのようなものを完全に解説し切れないものもあり、ぶつ切りの知識を大量に詰め込む作業になってしまうことになりかねません。問題集を解く作業が何か丸暗記の作業に近いなと感じた時は、問題の解説を読んだ後問題演習を中断し、その事項について参考書なりで全体像を把握することが必要です。しかし、すべて流れの中で把握するのが有効とも限りませんので、そこは臨機応変に。

2−3 複数回目「ヤル」時に

 普通の勉強をしている人は、問題演習を複数回することになると思います。問題演習が複数回必要な理由は、「人間が忘れる生き物だから」ということで十分ではないでしょうか。

 さて、複数回「ヤル」にも方法があります。それは2つあり、一つは「最初から1つずつ解くこと」、もう一つは「弱点の問題だけ解くこと」です。しかし、これらはただ使う時期が違うだけです。

 「最初から1つずつ解く」のは、問題演習最初の数回です。最初の「数問」ではないです、念のため。残された時間にもよりますが、全体を満遍なく理解するという点で、自分の弱点を把握するという点で数回やっておく必要があります。

 「弱点の問題だけ解く」のは、問題演習がある程度進んでからです。何回か全体の問題を解くとどうしても解けない問題がでてきます。それを弱点として集中的に解いていきます。この作業では、他の問題集や参考書を総動員して理解に努めます。なお、「弱点の問題だけ解く」の作業を早めにしすぎないよう方が、時間的制約がある人を除いて、いいと思います。弱点は演習を沢山やってから見えるものだからです。


 学習が進むと、情報として「問題集を5回やった」「10回やった」というのを耳にすると思います。しかしそれらの内容、「やった」の内容は人それぞれなので、回数だけに惑わされないようにしましょう。

 
Koufuri topに戻る