|
模試の各社比較
模擬試験は各社が実施しています。予備校が実施していたり、出版社が実施していたり。筆者は、そんな中、Wセミナー、LEC、実務教育出版を受験しました。それにあと、実務教育出版『受験ジャーナル』の誌上模試をおまけに加えて、それぞれについて筆者が思ったことを見ていきたいと思います(いずれも2002年試験対策のデータ)。 1.Wセミナー 回数・実施時期
12月のアンコール模試、3月のプレ模試の問題量は本番の半分のはずです。公開択一&オールには本番と同じだけの分量の問題があります。 回数自体は少ないです。各試験に本番同様の模試が1回くらいしかありません。 問題について 筆者は国2の択一、国1のオールを受験しました。本番よりもかなり難しいという印象を受けました。国2では教養試験が、国1では専門試験がとても難しかったです。この試験で本番並みの点を取るのは難しいでしょう。逆に国1では教養試験が本番よりも幾分簡単でした。 的中話を一つ。今年の国1のオール模試、国際関係で的中がありました。「コンストラクティビズム」という、他の参考書ではまず載ってない用語が出て、本番ではそれが正解肢になっていました。 Wセミナーの法律系の問題は最新判例が多いというのが特徴です。そうなると、当然過去問には出ていない判例も多くなるので難しく感じます。しかし、根本的な所が理解できていれば解ける問題でもあります。最近では公務員試験が難化しており、最新判例も出てきたりするので、そういった点では役に立つと思います。 解説について 少し雑な印象を受けます。解説の程度は早稲田経営出版の『GUTS』をイメージしてもらえばいいです。ある程度勉強が進んでいる人で確認程度に模試を受けている人であればいいですが、模試でこれまでの遅れを取り戻そうとする人から見ると足りません。成績表、講評等 成績表は見づらいです。問題ごとに正答率が出ているのですが、これが特に。正答率を見ると「5%」とかいう数字が平気で出てきます。「え?こんなに難しい問題だったのか!」というとそうではありません。正答率はどうやら分子を正答者数、分母を全受験者数にしています。つまり、選択問題があって、「100人中10人が答えて、正解は8人だった」という場合、8(正答者数)/100(全受験者数)=8%となります。…筆者には面倒でした。 講評のようなものも来ますが、あまり細かいことは書いてありません。どの肢を選んだ人が多いかということはわかります。 今年はオマケとして、未公開の過去問の復元問題が配布されましたが、今年度より本番問題の持ち帰りが可となったので、どうなるかわかりません。 全体として 択一&オール模試の実施時期から考えるに、回数的、解説的には「これで十分なのかな?」という気もします。というのは、これは筆者の勝手な思い込みですが、Wセミナーの模試は同社の「専門・教養予想答練」(*)とセットの位置付けなのではないかと考えるからです。つまり、最終追い込み的な演習は「予想答練」の方がメインであり、模試はその確認、もしくは試験直前にちょっと詰め込んでおきたいことをやる機会なのではないかということです。 なので、 択一&オール模試は基礎を終えていることを前提にして、ちょっと難易度の高い問題を集めた模試 という位置付けで考えておいた方がいいと思います。いってみれば、玄人向け模試です。 (*)「専門・教養予想答練」とは、Wセミナーの短期講座。通年コースを受講していなくても申し込める。専門各科目、教養科目の問題演習、講師の解説がセットになっている講座。「政治学」「憲法」など、各科目ごとに分かれる。 2.LEC 回数・実施時期
「択一リバイバルハーフ」は前年の「択一ハーフ」と同じ問題です。また、「択一リバイバルハーフ」「択一ハーフ」の問題量は本番の約半分です。 回数は多いです。筆者は「ハーフ模試」から「直前択一模試」まで計10回受けましたが、問題・解説の分量はかなりのものになります。 LECのアドバンテージは模試回数の多さと本格模試開始時期の早さです。時期が早いゆえに、自分の勉強方法が確認でき、今後の勉強法修正に大いに役立ちます。また後述しますが、解説の詳しさも非常に大きなアドバンテージです。 問題について およそ本番と同レベルの問題がでます。ただ、科目によって若干難易度にばらつきがでます。経済系は本番よりも簡単なようです。国1社会学に関して言えば、LECは社会学者が沢山出てきたものの、本番ではそのような問題はありませんでした。「これが的中!」という問題はすぐには思い出せませんが、難易度が大差なかったので役に立ったと思います。 問題としてはオーソドックスな問題が多く、奇問の分類に入るようなものはあまりありません。なので、逆にいうと「受験準備は完璧だ」といいながら、LECの模試に全く歯が立たないようならその勉強法は変えたほうがいいかもしれません。 しかしそれはLEC模試が簡単だからという意味ではなく、それこそ本番に近いからという意味です。 解説について 非常に詳しいです。ベタ誉めになってしまうかもしれませんが、一般的な、どの参考書よりも解説が詳しいです。同社の『ウォーク問』よりももっと詳しいです。Wセミナーとの比較になりますが、こちらの方は、学習の進度があまり芳しくない人の追い込みに使えます。 成績表、講評等 成績表はA3紙1枚分で、正答率や判定が出ています。一般にLECの模試は判定があまいと言われます。職種によってその信頼性は大きく変わります。どうやら判定の出し方は偏差値に拠っていて、60を超えるとA判定になるようです。 講評等は1冊の冊子になっています。各科目ごとに(各系ごとに)講評が載っています。また、どの肢を選んだ人が何%いたかということも分かります。得点分布も載っており、自分がどの位置にいるかもわかります。 全体として LECの模試は、時期が2月からと早く、最後の追い込みに使うのにちょうどいい模試です。また、初期の模試の不振をみて、勉強法の改善に根本から取り掛かるという時期的余裕があります。LECにはWセミナーの「答練」にあたるような講座がありません。それゆえではないでしょうが、 問題演習を模試という形で徹底してしようというのがLECの模試 という気がします。 「講義で解説を聞く」という勉強法よりも、1人で本などとにらめっこしながら勉強したいと思う人には活字がふんだんに使ってある解説のLEC模試は有効だと思います。 3.実務教育出版 回数・実施時期
「公開模擬試験」は回数としては1回のみなので、少ないです。 「誌上模試」は毎月ありますが、問題数は実際の試験よりだいぶ少ないです。 筆者は国1の公開模試と、誌上模試を数回受験しました。 問題について 難易度は、「公開模擬試験」は本試験とほぼ同レベルの問題がでます。これも科目ごとに差があり一概には言えません。国1模試の社会学などは同レベルだと思いますが、科目によってはだいぶ簡単でした。一方誌上模試の問題は、一般に難しく感じました。 誌上模試の問題は、設問文、選択肢ともに文章が短く、本番の試験問題とはかなり異なります。短いためか、設問も難しく感じます。 解説について 実務教育出版一般にいえることですが、解説は短いです。解答の本当に近辺の話題しか触れておらず、派生的に学習できません。また、解説の書き方は、『受験ジャーナル』の問題文同様、ページを中央で分けて改行無しで書いていくというものです。長さはWセミナー、LECと比べ最も短いです。 成績表、講評等 成績表に載っているのは、正答か否か、偏差値、成績分布表、順位、判定のみです。各問の正答率も載っていないので、どれを落とすべきじゃなかったとかそういうことはわかりません。あまり親切とはいえないものです。全体として 「公開模擬試験」は、特に教養試験において、傾向をはずしているんじゃないかという印象があります。判断・数的推理の問題は比較的簡単で、最近の複雑な問題から比べると点が取りやすかったです。「公開模擬試験」に関して言えば、回数も1回しかなく、位置付けというのが難しい所ではあります。 「誌上模試」は、他社の模試が開催されていない時期にもあるという点がいいです。時間を計って自分の力を試してみるという点では有用です。ただ、他の模試と同列に扱うには、形式が違いすぎます。 4.どれが一番いいのか 模試ごとに特徴がいろいろあって、どれが一番いいとは一概に言えません。Wセミナーは最新判例が豊富で、難易度も若干(それ以上)高いことから、直前期の+α、または上位合格を狙うにうってつけの模試です。 LECは本格的な模試の開始時期が早く、模試を受けて自分の力を知ることにより、残り数ヶ月という時間を有効に利用する方法を知ることができます。また、数ヶ月の模試の復習で実力が上がるように解説が非常に詳しいです。 実務教育出版も科目により(筆者は国1の社会学は良問が多いと思った)有効な受験対策になります。 「え〜?じゃあどれ受ければいいの?」という質問が来そうですが、幸いなことに、これらの模試は日程がほとんど重なっていません。つまり全部受けられるのです。 なので、筆者としては全部受けた方がいいと思います。LEC模試で受験生活の方向を最終確認し、Wセミナー模試で総括をする…そんな模試ライフが良いと思います。実務教育出版は気が向けば受ける程度でいいでしょう。ただ、「総括とか+αとかのレベルにはない、何とか合格で精一杯だ」という人はLECだけでいいでしょう。 最後に筆者が受けた試験の一覧を書いておきます。 筆者が受けた模試(日付は全て2002年)
|